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女性に多い急性膀胱炎

院長コラム|患者さんのための泌尿器科教室

第1回 女性に多い急性膀胱炎

 

なぜ繰り返すのでしょうか?
急性膀胱炎は女性に多い尿路感染症です。排尿時の痛み、頻尿、残尿感などが突然現れますが、多くは適切な抗菌薬治療で改善します。
年に数回繰り返すこと自体は珍しくありません。一方、毎月のように繰り返したり、短期間に何度も再発したりする場合には、原因を詳しく調べることが大切です。
 
膀胱炎はなぜ起こるのでしょうか?
膀胱炎は「不潔だからなる病気」ではありません。
原因となる大腸菌などは、健康な人の腸内や肛門周囲にも存在する常在菌です。清潔にしていても、細菌が尿道から膀胱へ入り込むことはあります。
ただし、細菌が入っただけで必ず発症するわけではありません。尿が細菌を洗い流す働きと、膀胱粘膜が細菌の増殖を防ぐ働きがあり、これらの防御が一時的に弱くなると膀胱炎を起こします。
 
膀胱炎を繰り返しやすくする要因
  • 水分不足や尿量の低下
  • 尿を長時間我慢する習慣
  • 疲労、睡眠不足、体の冷え
  • 性交渉のあと
  • 閉経後の女性ホルモン低下
  • 糖尿病などで尿糖が多い場合
尿を長く我慢すると、細菌が増える時間が長くなります。また、性交渉後に繰り返す方では、尿道口周囲の細菌が入りやすくなることが一因と考えられます。無理のない範囲で早めに排尿し、水分をとることが役立つ場合があります。
 
毎月のように繰り返す場合は、一度詳しく調べましょう
毎月のように繰り返す方や、短期間に何度も再発する方では、排尿機能の異常や尿の流れを妨げる病気が隠れていることがあります。
原因となり得るものとして、神経因性膀胱、骨盤臓器脱、尿道狭窄、排尿後に尿が多く残る状態(残尿)、膀胱結石などがあります。
一方、膀胱がんは「膀胱炎を起こす原因」として挙げる病気ではありません。ただし、膀胱炎に似た頻尿・排尿時痛などの症状や血尿を呈し、膀胱炎と思われている中に、まれに別の病気として隠れていることがあります。症状や血尿を繰り返す場合には確認が大切です。
当院では、症状や再発の状況を考慮し、必要に応じて超音波検査や残尿測定を行います。検査が正常でも再発することはあり、水分量、排尿習慣、体調、性交渉、ホルモン変化など複数の要因が重なる場合があります。
 
日常生活でできる予防
  • 水分を適度にとる
  • 尿を必要以上に長く我慢しない
  • 体を冷やさず、十分な睡眠と休養をとる
  • 排便後は前から後ろへ拭く
  • 温水洗浄便座は、強い水圧や長時間使用を避け、適度な水圧で短時間にする
  • 性交渉後に繰り返す方は、無理のない範囲で早めに排尿し、水分をとる
 
発熱・背中や脇腹の痛みがあるとき
排尿症状とともに発熱、悪寒、背部痛・側腹部痛がある場合は、感染が腎臓に及ぶ腎盂腎炎の可能性があります。早めに医療機関を受診してください。
 
院長から患者さんへ
急性膀胱炎は、適切な治療で改善する病気です。しかし、「治すこと」だけでなく、「なぜ繰り返すのか」「どうすれば再発を防げるのか」を患者さんと一緒に考えることも、私たちは大切な診療と考えています。
膀胱炎を繰り返すことだけで重大な病気があるとは限りません。必要な方には超音波検査や残尿測定などを行い、一人ひとりに合った治療と予防をご提案します。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
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