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山田院長のおしっこのお話 第三回-2

山田院長のおしっこのお話

シリーズ全5回

    
  第三回 『治りにくい・治しにくい排尿の問題 夜間頻尿について』
 第三回-Ⅱでは「生活の質」を大きく損ねる夜間頻尿の、本題にせまってお話ししたいと思います。
 過活動膀胱治療薬で改善しない夜間頻尿は、膀胱の過活動ばかりでなく夜間多尿や睡眠障害など複数の要因が絡み合って生じるため、過活動膀胱の治療薬だけで治療してもうまくいかない難しい病態です。
夜間多尿は、夜間の尿量が正常より多くなる状態です。尿量が増えれば当然排尿回数が増えるので夜間頻尿にもなります。
65歳以上の高齢者では夜間尿量が一日尿量(昼間尿量+夜間尿量)の1/3を超えるようになります。時には夜間尿量>昼間尿量の状態となり、例えば一日尿量が1200mlの時に夜間尿量700ml+昼間尿量500mlと、昼夜逆転してしまう例が多くみられます。これは、心臓や腎臓の働きの衰えに大きくかかわっています。
心臓や腎臓の働きは血管の衰えから生じ、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病や痛風を引き起こす高尿酸血症などが関係しています。心臓や腎臓の機能の衰えは年齢とともに加速され、体の水分を上手に回転できなくなります。若いときは昼間の水分は昼間のうちに体中の組織・器官から血管に回転良く戻り、即座に尿として排泄されます。したがって、日中活動期に摂取した水分は日中に排泄され、夜間は抗利尿ホルモンの働きで尿が濃縮されるので、朝まで排尿のために起きる必要がないわけです。
高齢になり心臓や腎臓の機能が衰えると、昼間に体中に溜まった水分が回転良く血管に回収できなくなり、時には足がむくんだりします。腎臓も動脈硬化により血流が悪くなるので、日中の活動期には尿がたくさん作れなくなります。夜間就寝時には臥床した状態になり、血管を収縮させる交感神経の働きも休息状態となるため、腎臓の血流も回復するので、尿をたくさん作れるようになります。さらに、抗利尿ホルモンの働きが年齢とともに低下し、尿を濃縮する力が減退することも原因として加わってきます。こうして日中にたまった多量の水分が、多量の尿として夜間に産生されるので、夜間の尿量が増加します。
次回は実際の対処法治療法についてお話しする予定です。

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