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山田院長のおしっこのお話 第四回

山田院長のおしっこのお話

シリーズ全4回

第四回 『腹圧性尿失禁について』


 

 

第四回 『腹圧性尿失禁について』

今回は、腹圧性尿失禁についてお話しいたします。
 腹圧性尿失禁は、過活動膀胱に伴う切迫性尿失禁とともに頻度の高い排尿障害で、ほとんどが女性でおこります。腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁が同時に合併した場合を混合性尿失禁といいます。尿意切迫感を伴わない純粋な腹圧性尿失禁は、骨盤底の筋肉や靭帯が弱くなり、膀胱の出口と尿道が下垂することが原因で、せきやくしゃみ、重いものを持つ、走る、跳ぶなどで腹圧がかかった時に尿意のあるなしにかかわらず尿がもれます。尿がたまった状態で膀胱の出口が緩めば当然尿がもれます。骨盤底を支える筋肉や靭帯が強力であれば、尿がたまった状態で腹圧がかかっても、瞬時に膀胱出口を塞いでくれます。しかし、出産の影響や肥満、或いは体質的に骨盤底の筋肉や靭帯が緩んでしまった場合には、瞬時に膀胱出口を塞ぐ力が減弱し、腹圧性尿失禁となります。
 腹圧性尿失禁の重症度は、パッドテストという様々な腹圧のかかる状況下でパッドにどれだけ尿が漏れるかを測定する方法で評価します。軽度や中等度の方は、ダイエットによる減量や骨盤底訓練の指導、ウロマスターという干渉低周波による治療が効果的です。重症の場合は手術療法となり、日帰り手術が可能なTVT手術やTOT手術などがあります。手軽にできるのですが、身体に使用する繊維製の網の目状のテープが異物であるため、膀胱、尿道、膣内にテープが露出したり、手術部や太ももの痛みが続いたりするため、慎重に行うことが求められています。また、大血管の損傷による出血や、腸管の損傷による重大な合併症も頻度は少ないながらも発生しており、死亡例も知られています。したがって、当院では積極的に薦めていません。私が考案した短い自己筋膜を使う山田法ではそのような危険性はありませんが、数日間の入院が必要なため当院では行えないのが現状です。どうしても必要な場合には埼玉医科大学総合医療センターに紹介いたします。
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